この記事では、
という疑問に答えます。
国内でも一定の支持を獲得しているPhotonシリーズ。
ここではANYCUBICの「Photon Mono」、「Photon Mono SE」、「Photon Mono X」のそれぞれの違いを比較しながら解説していきます。
それでは早速、比較表を作成したのでご覧ください。
目次
ANYCUBIC Photon Monoシリーズを比較
まず各機種のスペックを表で比較してみます。
参考として、旧機種のPhoton Sも比較表に含めました。
機種名 | Photon S | Photon Mono | Photon Mono SE | Photon Mono X |
最大造形 サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 115mm × 65mm × 165mm | 130mm × 80mm × 165mm | 130mm × 80mm × 160mm | 192mm × 120mm × 245mm |
XY解像度 | 0.047mm | 0.051mm | 0.051mm | 0.050mm |
最小積層ピッチ | 0.01mm | 0.01mm | 0.01mm | 0.01mm |
LCDタイプ | RGB | モノクロ | モノクロ | モノクロ |
最大印刷スピード | 22.5mm/h | 50mm/h | 80mm/h | 60mm/h |
データ転送方法 | USB | USB | USB, Wi-Fi | USB, Wi-Fi |
本体サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 230mm × 200mm × 400mm | 227mm × 222mm × 383.6mm | 220mm × 200mm × 400mm | 270mm × 290mm × 475mm |
カバー構造 | 跳ね上げ式 | 着脱式 | 跳ね上げ式 | 着脱式 |
実売価格 (記事更新時) ※最新の価格はリンク先をご参考ください。 | 約27,000円 | 約29,000円 →5,000円OFFクーポン配布中!! | 約51,000円 →3,000円OFFクーポン配布中!! | 約71,000円 →8,000円OFFクーポン配布中!! |
上記の比較表から主に、
- 最大造形サイズ
- 最大印刷スピード
- データ転送方法
に違いがあることが分かるかと思います。
その他にも本体の構造等にも違いがあります。
今回は、各機種の特徴を他の機種と比較しながら、順を追って説明していきます。
ちなみに、Photon Sは、古いタイプであるRGBの光源が搭載された旧機種であり、印刷スピードが最新機種に比べてかなり遅く、価格もPhoton Monoとあまり変わらないため、今からの購入はおすすめしません。(※記事更新時の価格を参考)
これから在庫処分などの理由で投げ売り状態になったり、印刷スピードを気にしないのであれば選択肢には入れてもいいかもしれません。
ANYCUBIC Photon各機種の比較
ANYCUBIC Photon Mono
こちらは、各プリンタを比較する際のベースになる機種ですね。
Monoシリーズの中でも初めに発売された機種になります。
Mono SE、Mono Xとの違いは後ほど解説するとして、こちらは旧機種のPhoton Sと比較を主軸に進めていきます。
機種名 | Photon S(旧機種) | Photon Mono | Photon Sとの比較 |
最大造形 サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 115mm × 65mm × 165mm | 130mm × 80mm × 165mm | 少しサイズUP |
XY解像度 | 0.047mm | 0.051mm | わずかに荒くなったが、違いが分かる程の変化ではない |
最小積層ピッチ | 0.01mm | 0.01mm | 変化なし |
LCDタイプ | RGB | モノクロ | RGBからモノクロに改善(印刷スピードに影響) |
最大印刷スピード | 22.5mm/h | 50mm/h | 2倍以上速い |
データ転送方法 | USB | USB | 変化なし |
本体サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 230mm × 200mm × 400mm | 227mm × 222mm × 383.6mm | 大きな変化なし |
カバー構造 | 跳ね上げ式 | 着脱式 |
印刷スピードが2倍以上に
まず最大の特徴が、LCDのタイプがRGBからモノクロへ変更されたことにより、印刷スピードが旧機種の2倍以上に改善している点です。
このRGB→モノクロの変更は、ANYCUBIC以外のメーカーの家庭用光造形3Dプリンターにも見られるトレンドで、ここ最近ではモノクロのLCDが主流になりつつあります。
当然ながら、印刷スピードは造形物の印刷にかかる時間に直結します。
印刷スピードが2倍以上速くなったので、印刷完了までの時間は1/2以下に短縮されたことになり、大幅な改善と言えるでしょう。
最大造形サイズが少しだけ大きく
高さはそのままで、奥行と幅がそれぞれ15mmほど大きくなっています。
それほど大きな変化ではないですが、旧機種では大きすぎて出力できなかったりサイズを小さくする必要があったものが、Photon Monoでは印刷できるかも知れません。
着脱式のカバー
Photon Monoはカバー全体がすべて黄色がかった透明で、着脱式となっておりPhoton Sの跳ね上げ式とは異なります。
この変更は一長一短ありますね。
メリットとしては、
- 造形中の様子など、中を観察しやすい
- 作業がしやすい
デメリットは、
- 着脱の作業が煩わしい
- 蓋を置いておくスペースが必要
といった辺りではないでしょうか。
コスパに優れたPhoton Mono
モノクロLCDを搭載しながら価格は2万円台(記事更新時)なので、他のMonoシリーズと比べて圧倒的にコスパに優れていると言えるでしょう。
他のMonoシリーズの特徴にそれほど魅力を感じない場合は、こちらのPhoton Monoを選んでおけば間違いないと思われます。
ANYCUBIC Photon Mono SE
機種名 | Photon Mono | Photon Mono SE | Photon Monoとの比較 |
最大造形 サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 130mm × 80mm × 165mm | 130mm × 80mm × 160mm | 大きな違いなし |
XY解像度 | 0.051mm | 0.051mm | 同じ |
最小積層ピッチ | 0.01mm | 0.01mm | 同じ |
LCDタイプ | モノクロ | モノクロ | 同じ |
最大印刷スピード | 50mm/h | 80mm/h | 1.5倍以上速い |
データ転送方法 | USB | USB, Wi-Fi | Wi-Fi転送が使える |
本体サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 227mm × 222mm × 383.6mm | 220mm × 200mm × 400mm | 大きな違いなし |
カバー構造 | 着脱式 | 跳ね上げ式 | |
活性炭フィルタ (臭い軽減機能) | なし | あり? | 交換可能な活性炭フィルタ搭載との情報あり |
印刷スピードがさらにUP
Photon Monoは、Photon Sの印刷スピードから2倍以上に進化していますが、Photon Mono SEはそこからさらに1.5倍以上の印刷スピードを実現しています。
Photon Sと直接比較するとなんと4倍近くのスピードです!!
この印刷スピードがPhoton Mono SEの最大の特徴と言えますね。
印刷スピードは作業の効率に直結するのでかなり大事な要素になります。
業務で使用するとなるとなおさらです。
スピードを重視する方にはPhoton Mono SEはかなり有力な選択肢になるのではないかと思います。
Wi-Fiデータ転送が可能
印刷物のデータを3Dプリンタに転送するには通常USBメモリを使用しますが、Photon Mono SEにはWi-Fiで転送できる機能が搭載されています。
ただし、パソコンから直接Wi-Fi転送できるのではなく、スマートフォンのアプリを使用する必要があるようなので、その点は注意が必要です。
跳ね上げ式のカバー
カバーはPhoton Sと同様の跳ね上げ式になっています。
手軽に開け閉めできて、別途カバーを置いておく場所は不要ですが、本体上部の奥側へ開くため本体後ろ側にスペースを確保しておく必要があります。
活性炭フィルター搭載?
こちらは、公式のページに掲載されていたものではなく、不正確な情報になります。
海外の複数のレビューサイトに、MonoやMono Xには搭載のない活性炭フィルターが搭載されているとの情報がありました。
結構リサーチしましたが、公式で搭載しているという情報は確認できませんでした。
搭載されている場合はMonoやMono Xよりは臭いが抑えられているということになると思います。
印刷スピードとWi-Fi転送が強み
Photon Mono SEは本体の構造や細かい仕様がPhoton Sと似ている部分がいくつかあり、Photon Sの正統進化版と言えるかも知れません。
ただ、Photon Monoと比べると価格の差が結構あります。(記事更新時)
コスパで考えるとPhoton Monoに分がありますが、価格のそれほど差が気にならず、印刷スピードやスタイリッシュな本体のデザインに魅力を感じる場合は、Photon Mono SEを購入してみても良いですね。
ANYCUBIC Photon Mono X
機種名 | Photon Mono | Photon Mono X | Photon Monoとの比較 |
最大造形 サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 130mm × 80mm × 165mm | 192mm × 120mm × 245mm | 奥行、幅、高さがそれぞれ約1.5倍UP 体積で見ると3倍以上に |
XY解像度 | 0.051mm | 0.050mm | 大きな違いなし |
最小積層ピッチ | 0.01mm | 0.01mm | 同じ |
LCDタイプ | モノクロ | モノクロ | 同じ |
最大印刷スピード | 50mm/h | 60mm/h | 1.2倍速い |
データ転送方法 | USB | USB, Wi-Fi | Wi-Fi転送が使える |
本体サイズ (奥行)mm × (幅)mm × (高さ)mm | 227mm × 222mm × 383.6mm | 270mm × 290mm × 475mm | かなり大きく場所をとる |
カバー構造 | 着脱式 | 着脱式 | 同じ |
驚異の最大造形サイズ
Photon Monoと比べて奥行、幅、高さがそれぞれ約1.5倍ほど増しています。
これによって、より大きなサイズを出力できることはもちろん、小さなパーツなどはより多く出力できることになり、設計の業務などに使用する場合は作業効率UPも実現できますね。
Monoより少し早い印刷スピード
Photon Monoと比較すると印刷スピードが約1.2倍になり、造形サイズが大きくなることによる印刷時間の増加を軽減してくれます。
Mono SEと同様Wi-Fi転送が可能
Photon Mono SEにもあった印刷物データのWi-Fi転送機能がこちらのPhoton Mono Xにも搭載されています。
ただし、スマートフォンアプリを使用する必要があります。
カバーは着脱式
カバーはPhoton Monoと同様の着脱式です。
大きなサイズも素早く正確に出力
Photon Sを考えると、同じ解像度、UPした印刷スピードで、かなり大きな造形物を出力可能になりました。
大きいサイズの造形物を出力する必要がある場合は、こちらのPhoton Mono X一択になりますね。
大きく進化したANYCUBIC Photonシリーズ
Photon Sの発売から数年経たずしてPhoton Monoが発売されています。
光造形3Dプリンターは驚くべき速度で進化していますね。
出力したいものや、生活スタイルに合わせて、ご自身に合ったPhoton Monoシリーズをお選びいただければと思います。